５．カード解釈の例

ウエイト版は78枚のカードに統一性があります。単純に単語で意味を覚えるのではなく、基本、統一性に従って描かれている絵を感じることが大切です。

簡単で、分かりやすい「太陽」のカードを取り上げて復習してみます。
みなさまも手元にタロットカードがあれば、実際に見ながらページを進めてみてください。

象徴を確認する

太陽の他に白馬、乗った子供、子供がつかんでいる赤い旗、ひまわりなどが描かれています。
描かれているものをひとつずつ確認してみましょう。

太陽

太陽は曲線の熱と直線の光を放っています。
温かさと明るさの象徴です。

子供

子供はこちらに向かってきています。
まるで未来（遠方=太陽）から私たちのところにやってきたようです。そして私たちを太陽のもとへと導こうとしています。
裸は本能を表します。
未来に向かうためには子供心に帰る、本能に従うことの大切さを教えてくれています。

白馬

白は純粋さを表します。
未来に向かうためには純粋な気持ちになること、白無垢の状態に帰ることの大切さを教えてくれています。

赤い旗

子供は赤い旗を自分で握っています。
赤は情熱、握っているのは能動的な気持ちを表します。
赤い旗を握っているのは理想を自分の手でつかもうとする気持ちの表れです。

ひまわり

このカードには３つのひまわりが描かれています。

• 子供が頭につけている花
• 壁の上に描かれたひまわり
• 大きな象徴としての太陽

それらは下から順に（現在から未来へ向かって）大きく開花していくように描かれています。

壁

レンガの壁にさえぎられ、遠景（未来）は見えなくなっています。
未来へ向かうためにはこの壁を乗り越えなければなりません。
レンガ積みをひとつずつ取り払うように、問題をひとつずつ片付けて行くことで未来が見えてきます。

カードに描かれている物語

今度はそれぞれの象徴を関連付けて物語にしてみましょう。

いかがでしたか？
太陽一枚の中にもたくさんの事柄が描かれていることがお分かりいただけたのではないでしょうか。大切なのは一枚のカードには物語が描かれているということです。みなさまが知っている太陽の意味は、この物語の中から生まれているのです。

解釈の例

描かれた物語を気付くことができたのなら、あとは相談内容にあわせて物語を脚色していくだけです。
簡単な相談に対して答えてみましょう。

相談内容

今の仕事は内容もお給料も悪くはないのですが、だんだんマンネリになってきて、このままでよいのかな？と感じるようになってきました。
これから先の転職運、私はどんな仕事に向いているのかを占ってください。

回答例

裸の子供が描かれています。裸は本能を表しています。あなたが本能的に楽しめること、それは何でしょう。それが仕事に対してのヒントです。
その子供は赤い旗を左手で握っています。能動的に楽しくできる仕事（赤い旗を握っている）、それはもうあなたの中にあります（左手は潜在意識）。

どんな仕事が向いているのか、まず子供心にかえってみましょう。子供の頃にやりたかったこと、子供の頃の夢を思い出してみましょう。

あなたが本当にやりたいことを目指すなら（裸の子供）、転職活動はうまく行くでしょう（子供は未来から来ている）。

転職先での仕事はどうでしょうか。
今のあなたはまだつぼみですが（子供の頭のひまわり）、あなたには大きな可能性があります（頭上の太陽）。
もちろん壁にぶつかることもあるでしょう。しかし壁にぶつかって未来が見えないときは、あせらずに問題をひとつひとつ片付けましょう（レンガの壁）。
楽しさを感じられる仕事を選んだのですから、どのように問題を処理すればよいのか、既にあなたは分かっているはずです（ひまわりが成長している）。

壁を乗り越えた時、あなたはさらに充実した未来へとたどり着くことができます。（太陽）

イメージできるようにストーリーで伝える

みなさまが今まで知っていた太陽の意味はどんなものでしょう。

• 成功
• 自己実現の時
• チャンス到来
• 明るい未来

上記の相談ごとで太陽のカードが展開されたら、今まではみなさまはこのように答えていたかもしれません。

もちろんそのように答えても占いの結果が変わるわけではありません。
しかし、物語の方が自分の未来をよりイメージしやすく、より占い結果を身近に感じることができます。
カードの絵を使って説明した方が、単語で説明するよりも分かりやすく伝えることができるのです。